診療案内

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っているあいだに「呼吸が止まる」「呼吸が浅くなる」状態を何度も繰り返す病気です。
代表的なのは**閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)**と呼ばれるタイプで、眠っているあいだに上気道(のど)が狭くなったり閉じてしまうことで起こります。

主な症状は:

  • 大きないびき
  • 夜間に何度も目が覚める
  • 朝起きたときの頭痛・だるさ
  • 日中の強い眠気・居眠り
  • 集中力の低下 など

放置すると、高血圧・心不全・不整脈・心筋梗塞・脳卒中などのリスクが高くなることが分かっています。

なぜ検査が必要なの?

なぜ検査が必要なの?

SAS は自分では「眠っているあいだ」の病気のため、自覚だけで正確な重症度を判断することが難しい病気です。

  • 「ただのいびきだと思っていた」
  • 「年のせい・疲れのせいだと思っていた」

という方の中に、実は中等症〜重症のSASが隠れていることがあります。
適切な検査を受けることで、

  • どのくらいの頻度で呼吸が止まっているのか(AHI:無呼吸低呼吸指数)
  • 酸素がどれくらい下がっているのか
  • 治療した方がよいレベルかどうか

を客観的に評価し、その後の治療方針(CPAP・マウスピース・生活習慣改善など)を決めていきます。

当院で行っている検査

当院で行っている検査

睡眠時無呼吸検査装置による「自宅での簡易検査」

当院では、フクダ電子社製の睡眠時無呼吸検査装置(例:ポータブルモニター・パルスリープ LS-140 など)を使用して、ご自宅で行う簡易検査(在宅睡眠時無呼吸検査)を中心に行っています。


どんな検査?

腕やお腹などに小さな本体を装着し、睡眠中の

  • いびきや呼吸の流れ
  • 血液中の酸素の状態(SpO₂)
  • 脈拍
  • 体の向き(仰向け・横向き など)
  • 胸やお腹の動き(呼吸の努力)

などを記録し、無呼吸・低呼吸の回数や程度を調べる検査です。

検査の流れ
1.診察・問診
いびき、日中の眠気、既往症、お薬などを確認し、検査が必要かどうかを判断します。
2.検査のご予約
日程を決め、検査キットの貸し出し日を調整します。
3.検査当日(機器のお渡しと説明)
・装着方法や注意点をご説明します。
・実際にご自宅で装着の確認をしていただきます。
4.ご自宅で就寝時に装着
・就寝前にご自身でセンサーを装着していただき、いつも通りお休みください。
・痛みを伴う検査ではありません。
5.翌朝、機器を返却
電源を切って装置を取り外し、記録をご郵送いただきます。
6.医師による解析・結果説明
・専用ソフトでデータを解析し、無呼吸の回数や重症度を評価します。
・結果をもとに、必要に応じて
  • CPAP治療
  • 口腔内装置(マウスピース)
  • 入院での精密検査(終夜ポリソムノグラフィ:PSG) など
をご提案します。
※簡易検査の結果や合併症の有無によっては、ガイドラインに基づき精密検査(PSG)をおすすめする場合があります。

睡眠時無呼吸症候群のメイン治療:CPAP療法とは?

睡眠時無呼吸症候群のメイン治療:CPAP療法とは?

CPAP(シーパップ)療法はContinuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法の略です。

  • 就寝中に鼻(または鼻と口)にマスクをつける
  • ホースでつながったCPAP装置から、一定の圧力がかかった空気が送り込まれる
  • その空気の圧で、のど(上気道)が押し広げられ、気道がつぶれないように支えてくれる

ことで、無呼吸・低呼吸の発生を防ぐ治療法です。
薬で眠くなくしているわけではなく、呼吸そのものを物理的に助ける治療というイメージです。


Q&A

CPAP治療の対象になる方(一般的な目安)

細かい基準はガイドラインや保険制度によって決まっていますが、一般的には:

  • 無呼吸・低呼吸指数(AHI)が一定以上(例:中等症〜重症)
  • 日中の眠気や居眠りなどの症状がある
  • 高血圧や心疾患などの合併症がある

といった場合に、CPAP療法が推奨されます。
具体的な適応は、検査結果と全身状態を総合して、主治医が判断します。

CPAP治療の流れ

CPAP治療の流れ

1.検査結果の説明・治療方針の決定
検査で中等症〜重症のSASが確認された場合、CPAP治療をご提案します。
2.マスクの種類選び
鼻だけのタイプ・口鼻タイプなど、顔や鼻の形、鼻づまりの有無などに応じて選びます。
3.初期設定(圧の調整)
・専門スタッフが無呼吸の程度に合わせて適切な圧力を設定します。
・最近は、自動的に適切な圧を調整する「自動CPAP(オートCPAP)」も一般的です。
4.使用開始〜慣れる期間
・最初の1〜2週間〜1ヶ月ほどは、「空気の流れ」「マスクの違和感」に慣れる期間です。
・うまく使えているか、データを確認しながら微調整していきます。
5.定期受診
・治療効果(無呼吸の改善度・眠気の変化など)や装置の使用時間、マスクのフィット感を確認します。
・必要に応じて圧の変更やマスク変更を行います。

CPAPで期待できる効果

CPAPで期待できる効果

継続してCPAPを使用していただくことで、次のような効果が期待できます:

  • 夜間の無呼吸・いびきの大幅な減少
  • 日中の眠気の改善、仕事や勉強への集中力アップ
  • 朝のだるさ・頭痛の改善
  • 血圧のコントロール改善に寄与
  • 心不全・不整脈・心筋梗塞・脳卒中など心血管イベントのリスク低減が期待される(合併症や重症度により個人差があります)

「よく眠れるようになった」「居眠りが減った」と実感される方が多い治療です。

よくあるご質問

よくあるご質問

Q1.検査やCPAPは痛くありませんか?
痛みのある検査・治療ではありません。
センサーやマスクを装着する違和感はありますが、多くの方は数日〜数週間で慣れていきます。
違和感が強い場合は、装着位置やマスクのサイズ調整で改善できることが多いです。
Q2.CPAPの音はうるさくありませんか?
最新のCPAP装置はかなり静音化が進んでおり、「小さな換気扇のような音」程度に感じる方が多いです。
ご家族の睡眠を妨げるほどの騒音になることはまれですが、気になる場合は設置位置の工夫などもご提案できます。
Q3.鼻や口が乾燥します…
CPAPの空気で鼻やのどが乾燥する場合、
  • 加湿器付きCPAP(加温加湿器)の使用
  • マスクの種類変更
  • 鼻炎やアレルギーの治療
などで改善が期待できます。遠慮なくご相談ください。
Q4.マスクが苦しくて眠れません
最初から「完璧に一晩中装着」しようとすると、かえってつらく感じることがあります。
  • 最初は「起きている間にテレビを見ながら慣れる」時間を作る
  • 数時間だけ装着して、徐々に時間を延ばしていく
  • 別のサイズ・別の形のマスクに変更する
など、**「負担なく続けられる工夫」**を一緒に考えていきます。
Q5.旅行や出張のときはどうしたらいいですか?
CPAP装置は持ち運びできるサイズですので、旅行・出張の際に持参してお使いいただくことが可能です。
  • 航空機内への持ち込み、海外への持ち出しが必要な場合
  • 宿泊先のコンセント事情 など
あらかじめ主治医・業者にご相談いただくと安心です。

生活習慣の見直しも大切です

CPAPで期待できる効果

CPAPはとても有効な治療ですが、次のような生活習慣の見直しも併せて行うと、より効果的です。

  • 体重のコントロール(減量)
  • アルコールの飲み過ぎを控える(特に就寝前)
  • 睡眠薬の自己調整をしない
  • 仰向け寝を避ける工夫 など

最後に 〜気になったら、まずはご相談を〜

CPAPで期待できる効果

  • いびきが大きいと言われる
  • 日中の眠気が強い
  • 夜間に何度も目が覚める
  • 高血圧や心疾患があり、眠りの質が悪い

このような症状がある方は、SASが隠れているサインかもしれません。
当院では、ご自宅での簡易検査を中心に、必要に応じて精密検査やCPAP治療まで、ガイドラインに基づいて丁寧にサポートいたします。

ご自身の症状や検査・治療についての疑問があれば、どうぞ遠慮なく診察時にお尋ねください。

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