小児科診療のコンセプト
乳児(1歳未満)のお子さんから、15歳までのお子さんを対象に小児科診療を行っています。
待合室には、大きくはありませんがキッズスペースを設け、待っている時間もお子さんが飽きないように工夫しています。
また、インフルエンザ、みずぼうそう(水痘)、おたふく、胃腸炎などの可能性が考えられるお子さんは2階にある完全個室のキッズルームを利用して診療しています。
授乳やおむつ替えなどが必要な際にも2階にある他の個室を利用できます。
当院では、風邪などの急性期の病気の他に、便秘症や気管支喘息などの診療にも力を入れています。
付添いの保護者の方が風邪をひいていたり、病気にかかっている場合もお子さんと一緒に診察をしますので、受付でお申しつけ下さい。
まだお話しができなかったり、うまく自分の症状を説明できないお子さんの診療では、特に普段の様子との違いや表情・しぐさなどに注意して診療しています。
われわれ医師に遠慮することなく、保護者の方からみたお子さんの変化も是非教えてください。それがお子さんのためでもあります。
お子さん自身も保護者の方も安心して受診できる診療を心がけています。
小児の往診について
昼の13-15時までの時間で予約制で 数件伺います.
交通費は一律1000円/回
小児科の往診も承ります.急な病気や移動が困難な場合にご利用ください.小児の場合は保険診療での自己負担は発生しません.(薬は処方箋薬局へとりに行っていただく必要があります)
緊急での往診対応地域:十条全般、東十条、西が丘、板橋区加賀
風邪
子どもの病気の中でも一番多いのが風邪(感冒)です。
鼻からのどまでの上気道に感染がおこり炎症します。症状は、咳、鼻水、鼻づまり、軽度ののどの痛みや発熱等で原因の9割以上がウイルスによるものです。
ほかの多くのウイルス感染症と同様に、直接の治療法はありませんが、ほとんどは患者本人の免疫力で自然に治癒してゆくものです。
いわゆる「風邪薬」はその治癒までの経過を過ごしやすく、症状を緩和するための治療(対症療法)ということになります。
抗生物質は細菌に対する薬ですので、風邪などのウイルス感染症には原則として使用しません。
しかし、ウイルスが原因と考えられていても抗生剤を使いながら経過を見ていく方がよいと考えられる状況もありますので、抗生物質を適切に使うことが必要です。
また、風邪と診断されていても、油断しているとその後、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、熱を含めた症状の経過をしっかり観察することが重要です。
腹痛
子どもが訴える痛みで一番多いのが腹痛です。
腹痛は比較的軽症の急性胃腸炎や便秘症から、重篤で緊急の対応が必要な病気(急性虫垂炎や腹膜炎、腸閉そく等)まで、さまざまな原因で起こります。
2歳以下の乳幼児は、はっきりとした腹痛を訴えることができず、ただ機嫌が悪く泣いている場合もあります。
便秘は病状としては軽症ですが、子供にとっては激しい痛みを伴う場合があります。腹痛は病状の重症度と痛みの程度が一致しないことがありますので、
嘔吐や下痢といった他の症状の経過観察が、原因特定の重要な情報になります。
受診される場合は、これらの症状の経過を院長までお伝えください。
下痢
子どもの病気の中でも風邪の次に多いのが下痢です。
下痢の場合は、便の状態をよく観察しておいてください。
少し柔らかい程度の下痢か、水のように流れるほどなのか、血液や粘液は混じっていないか、腐敗したような臭いはないか、白っぽくないかなどを確かめましょう。
血便、粘血便(粘液の混じった血便)、白色便、食物が全く消化されていない便などであれば、それを医師に見せてください。
また、機嫌はどうか、ぐったりしていないか、嘔吐は無いか、などもよく観察しておいてください。
下痢が続くと、栄養が足りなくなってしまうのではないかと心配になり、つい食べさせてしまうお母さんがいますが、
腸が傷んで消化吸収ができなくなっていますので、いくら栄養価の高いものを食べさせてもあまり意味がありません。
高カロリーの食事はかえって治りを遅くしてしまいますので気をつけてください。
下痢のときには、水分も吸収しにくくなっていますので、水分を少量ずつ上手にとらせながら休息させてあげてください。
嘔吐
嘔吐は、胃腸の食物を消化する能力がおちているため「食べたり飲んだりした物」を胃腸が拒絶して起こる反射です。
吐いたあとも、少しずつ水分をとって、あまり苦しそうでなければ、さほど心配はないですが、嘔吐と共に顔色不良となりぐったりする、
火がついたように激しく泣く、血便等が見られるときは腸重積症のおそれがあります。
菌が腸の中なかにどんどん入り込んでいってしまい、12時間以上経過すると腸が壊死して腹膜炎やショックを引き起こしたりする恐ろしい病気ですので、
できるだけ早く医療機関にかかりましょう。
また、嘔吐のときは、脱水症状にも注意が必要です。
但し、吐き気がおさまるまで何も与えません。吐き気の強いときは、水を飲ませても吐きますし、
そうすると余計に脱水症状をひきおこす要因にもなりますので、吐いて2時間は何も与えず様子をみます。
その後、吐き気がおさまって水分を欲したら水や薄目のお茶などを少量ずつゆっくり与えてください。
食事は、様子を見ながらうどんやおかゆなどの炭水化物を少量ずつ与えるのが良いでしょう。
発熱
子どもが熱を出すと心配になりますが、小さなお子さまはまだ体温調整機能が発達途中ですので、小学校に入るくらいまではよく熱をだすことがあります。
発熱は感染症からからだを守ろうとするからだの防御反応になりますので、解熱剤で熱を下げたところで病気自体がなくなるわけではありません。
熱の高さと病気の重症度は比例するものではありませんので、無理にお薬を飲ませるのではなく自然治癒で経過を観察することも重要です。
また、熱はそれほど高くないけど、微熱が長く続き肺炎になる場合もあります。
肺炎や気管支炎,脱水などの合併症を併発していないか,全身状態はどうか、経過観察から発熱の原因をはっきりさせることが重要です。
合併症などもなくウイルス性の風邪からくる発熱の場合は、様子をみながら、慌てず冷静にお子様がうまく休めるように工夫してあげてください。