小児予防接種
予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。
「定期接種」とは、国が「一定の年齢になったら、受けるように務めなければいけない」とし、感染力が強く、予防の必要性が高いものです。
決められた期間内なら、基本的に無料で受けられますが、有料のものもあります。
万が一、重い副反応が出てしまった場合も、予防接種と副反応の因果関係が認められれば国から保障が受けられます。
「任意接種」は、希望者が個別に病院へ行って受けるもの。基本的には費用は自己負担になりますが、自治体によっては助成金が出るところもあります。
任意とはいえ赤ちゃんがその病気にかかって重症になるリスクを考えると、あらかじめ受けておいた方が安心です。
ワクチンの種類
定期予防接種
【→横にスライドできます】
ワクチン | 回数 |
---|---|
Hibワクチン (インフルエンザ菌b型) |
3回 ※別途追加接種1回 |
肺炎球菌・小児用 (プレベナー13/PCV13) |
3回 ※別途追加接種1回 |
四種混合 (ジフテリア、百日せき、破傷風/DPT) |
3回 ※別途追加接種1回 |
BCG | 1回 |
麻疹・風疹(MR) | 2回 |
水痘(水ぼうそう) | 2回 |
日本脳炎(ジェービック) | 3回 ※別途追加接種1回 |
B型肝炎(小児・HBV) | 3回 |
ロタウイルス 5価/1価(飲むワクチン) | 3回/2回 |
HPV 9価 (シルガード9) ※小学校6年~高校1年相当の女子 |
3回 |
任意予防接種(自費診療)
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ワクチン | 費用 (税込) |
回数 | 予診票 | 備考 |
---|---|---|---|---|
おたふくかぜ (ムンプス) |
5,500円 | 2回 | 北区在住の方は助成制度あり | |
インフルエンザ | 3,300円 | 1~2回 | - | |
シナジス | お問い合わせください | 月1回(目安) | - | - |
HPV 9価 (シルガード9) |
27,500円 | 3回 | 性別にかかわらず9歳以上の方が接種可能。 ※公費接種対象は、小学校6年~高校1年相当の女子 |
年齢別の接種スケジュール
当院では風邪やインフルエンザなど、感染症にかかっている患者さんとの接触を避けるため、基本的に予防接種の時間は14時~15時の間に予約制で受け付けています。尚、保護者の方の都合などで時間の調整が難しい場合は一般診療の時間内でも受け付けています。
小児 1歳までに接種するワクチン
生後2か月から予防接種がスタ―トします。ご参考になさってください。
▶生後2か月の誕生日に当たる前日から開始できます。
【無料接種】
【→横にスライドできます】
接種時期 | ヒブ | 肺炎球菌 | B型肝炎 | 四種混合 | ロタウイルス | インフルエンザ(任意) |
---|---|---|---|---|---|---|
生後2か月 | ① | ① | ① | ① | ① | |
生後3か月 | ② | ② | ② | ② | ② | |
生後4か月 | ③ | ③ | ③ | |||
生後5か月 | 5価の場合(③) | |||||
生後6か月以降 | ③ | |||||
備考 | 4~8週間の間隔で3回接種 | 3回目は、1回目接種から140日以降 | 2023年4月より四種混合ワクチンの1回目は、生後2か月から接種可能 | 生後6週から接種可能。4週間以上の間隔をおいて2(3)回接種 | 生後6か月以後、10月~12月にかけて2回接種 |
※【B型肝炎・ロタウイルス・ヒブ・肺炎球菌】は、同時接種を推奨します。
小児 1歳以降に接種するワクチン
1歳以降に接種するワクチンの一覧です。ご参考になさってください。
【無料接種】
【→横にスライドできます】
接種時期 | ヒブ | 肺炎球菌 | 四種混合 | 麻疹・風疹 | みずぼうそう | 日本脳炎 |
---|---|---|---|---|---|---|
1才 | 追加接種 | 追加接種 | 追加接種 | ① | ①② | |
2才 | 追加接種 | 追加接種 | 追加接種 | |||
3才 | ①② | |||||
4才 | ③ | |||||
5才 | ② | |||||
6才 | ② | |||||
7才 | ||||||
8才 | ||||||
9才 | ④ | |||||
小学校6年生 | 【★追加】 二種混合(無料) または 三種混合(自費) |
|||||
小学校6年生 ~ 高校1年生 |
||||||
備考 | ※【★追加】について 百日咳を含む三種混合の接種が推奨されています |
2回目の接種は、1歳半頃~ | 4回目:標準接種9~12才 |
【任意接種】
【→横にスライドできます】
接種時期 | おたふくかぜ | インフルエンザ | HPV・子宮頸がん (定期・任意) |
二種混合(無料) または 三種混合(自費) |
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1才 | ① | |||
2才 | ||||
3才 | ||||
4才 | ||||
5才 | ② | |||
6才 | ||||
7才 | ||||
8才 | ||||
9才 | ||||
小学校6年生 | ① | |||
小学校6年生 ~ 高校1年生 |
3回接種 | |||
備考 | 10月~12月にかけて 生後6か月以後13歳未満:2回接種 13歳以上原則:1回接種 |
定期接種 (小学校6年~高校1年の女子) |
百日咳を含む三種混合の接種が推奨されています |
ヒブワクチン(Hibワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン)
ヒブワクチンは小児の細菌性髄膜炎の予防を主目的として作られたワクチンです。
ヒブ(インフルエンザ菌b型・Hib)は細菌で、冬に流行るインフルエンザウイルスとは全く異なります。混同しないようにしましょう。
ヒブワクチンは新型インフルエンザワクチンや冬に流行るインフルエンザワクチンではありません。
ヒブワクチンは世界120カ国以上で定期接種として公費による接種がされていますが、日本では現在、任意接種となります。
他のすべてのワクチンと同時接種が可能なので、ヒブワクチンとDTPワクチンなどが同時に接種されています。
またヒブワクチンは予防接種を開始する年齢によって接種回数が異なるのが特徴です。
不活化ワクチン
インフルエンザ菌b型の抗原に、免疫がつきやすくなるように作られたワクチンです。
ヒブ髄膜炎(インフルエンザ菌b型・Hibによる細菌性髄膜炎)
ヒブ髄膜炎は脳や脊髄を包んでいる髄膜に細菌が感染して起こる病気です。
細菌性髄膜炎は発症すると約5%の乳幼児は治療を受けても死亡し、助かっても知能障害などの発育障害や聴力障害などの重い後遺症が残ることがあります。
特に、ヒブ(インフルエンザ菌b型・Hib)による細菌性髄膜炎は、他の菌による細菌性髄膜炎に比べて重い後遺症を残します。
近年は、抗生物質が効かない耐性菌も増加しており、発症後の治療は困難となっています。
また、ヒブ(インフルエンザ菌b型・Hib)は小児期に発症する細菌性髄膜炎の原因菌として常に半数以上を占めています。
【生後2か月~6か月】・・4回
【生後7か月~11か月】・・3回
【満1歳~4歳】・・1回
5歳以上は接種不可です。
ヒブワクチンは予防接種を開始する年齢によって接種回数が異なります。
計4回
1回目から4~8週間隔で2回目
2回目から4~8週間隔で3回目
3回目からおおむね1年後の1歳早期に4回目*
*追加接種時期の「おおむね1年」とは「7か月~13か月」程度とする。
(Hib・ヒブはDPTとの同時スケジュールで接種が可能)
計3回
1回目から4~8週間隔で2回目
2回目からおおむね1年後に3回目
(Hib・ヒブはDPTとの同時スケジュールで接種が可能)
1回のみ
ヒブワクチン(Hibワクチン、インフルエンザ菌b型ワクチン)の副反応は、接種部位が赤くなったり、腫れたり、しこりが見られます。また発熱の症状が出る場合もあります。
極まれに、特異体質の方はショックなどの重い副作用が予想されます。
小児用肺炎球菌ワクチン (PCV13)/13価肺炎球菌ワクチン
乳幼児の肺炎球菌による細菌性髄膜炎を予防するために作られました。
乳幼児の細菌性髄膜炎の原因となる細菌はHib (ヒブ)が最も多いですが、その次に多い原因菌が肺炎球菌となります。
細菌性髄膜炎は、死亡率が高く、また、低月齢ほど神経まひや知能障害などの重い後遺症が残る病気です。
小児用肺炎球菌ワクチンは予防接種として現在、世界80カ国以上で使用され、定期接種に指定されいる国もあります。
日本では残念ながら今まで小児用肺炎球菌ワクチンは承認されていませんでした。
しかし2009年に小児用肺炎球菌ワクチンが日本でも厚生労働省に承認されました。
現在では小児用肺炎球菌ワクチン(商品名:プレベナー)の任意接種ができるようになりました。
肺炎球菌による感染症(細菌性髄膜炎、重症肺炎、菌血症など)
肺炎球菌は感染者のせきやくしゃみなどから感染します。
発熱、頭痛、悪寒、嘔吐、下痢などの症状がみられますが、普通の風邪や胃腸炎と区別がつきにくく、初期の段階で髄膜炎と診断することが難しい病気です。
肺炎球菌による細菌性髄膜炎は進行が早いので発見や治療が遅れると、重い後遺症が残ったり、死亡してしまう可能性があります。
したがって細菌性髄膜炎は、早期発見と早期治療が大切となってきます。しかし、多くの肺炎球菌は抗生物質が効きにくい耐性菌であることに加え、
病気の進行が早いため、現状では治療が難しいとされています。
生後2カ月以上5歳以下
接種を開始する年齢によって回数が異なります。
6歳以上は接種不可です。
計4回
1回目から4週以上の間隔で2回目(定期接種では13か月未満までに接種)
2回目から4週以上の間隔で3回目
3回目から60日以上の間隔をあけて生後12か月~15か月に4回目
計3回
1回目から4週以上の間隔で2回目
2回目から60日以上の間隔をあけ、1歳代(生後12か月~15か月)で3回目
2回
1回目から60日以上の間隔で2回目
1回
1回目のみ
4種混合ワクチン
DPTワクチン(ジフテリア、百日ぜき、破傷風の3種混合)に不活化ポリオワクチンを混合したワクチンです。2012年11月から定期接種になりました。
不活化ワクチン
ジフテリア、破傷風に対するワクチン成分はトキソイド(毒素を無毒化したもの)で、百日ぜきは、百日ぜき菌の抗原を加えた不活化ワクチンです。
ジフテリア
ジフテリア菌の毒素によって起こる感染症。 保菌者のせきなどによって飛沫感染します。症状は高熱、のどの痛み、せきや嘔吐などで、呼吸困難になり窒息死することもあります。 またジフテリア菌の出す毒素によって心筋炎や神経麻痺を起こすことがあります。
百日ぜき
百日ぜき菌による呼吸器の感染症です。
この病気は、母親から免疫を受け継ぎにくいので、生まれたばかりの赤ちゃんでもかかります。乳幼児はせきで呼吸ができなくなり、呼吸困難やけいれんが起きることがあります。
特に、生後6カ月以下の赤ちゃんが感染すると、症状が重くなり、肺炎などの合併症を起こすと命にかかわることがある病気です。
破傷風
破傷風は土の中にいる破傷風菌が傷口から人の体内に入ることによって感染します。 破傷風菌が出す毒素によってけいれんなどの神経症状が出て死亡することもあります。 本人も気づかないほどの小さな傷が原因でも感染します。破傷風菌は土の中にもいるので、いつでも感染してしまう可能性があります。
ポリオ
手足、特に足が麻痺する病気。ポリオに対するワクチンは不活化ワクチンでウイルスを無毒化したワクチンになります
第1期…3ヶ月~
第2期…11歳~
第1期初回接種…3ヶ月~1歳
第2期…11歳
計3回
3~8週間隔で3回
1回
第1期初回終了後の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目
1回
DT(ジフテリア、破傷風の2種混合)の接種
※就学以降の百日せきの予防のためには、二種混合ワクチンに代わって三種混合ワクチンを任意接種で接種します。
接種後に注射のあとが「腫れる」「しこりになる」「赤くなる」などがあります。
赤みが軽い場合は3~4日で消えて、しこりはだんだん小さくなりますが数ヶ月残ることもあります。
上腕全体など広範囲に腫れたり、熱をもったりしたときや、接種後24時間以内に発熱した場合は医者に相談しましょう。
BCG
BCGの予防接種をすると10日目頃から針痕の部分に赤いポツポツができます。一部に小さいうみができることがあります。
この反応は4週間目頃に最も強くなり、その後、かさぶたができて3ヶ月後までには治ります。
これはBCGの予防接種により接種により抵抗力をつけるための反応で異常な反応ではないの心配はいりません。
その間は、包帯をしたり、絆創膏をはったりしないで清潔に保ちながら自然に治るのを待ちましょう。
接種直後から2~3日後くらいに、赤いポツポツができはじめた場合やBCG予防接種後3ヶ月を過ぎても痕がじくじくしているような場合、
膿がひどいとき、リンパ節の腫れが大きい場合などは診察をお願いします。
生ワクチン
BCGワクチンは牛型結核菌を弱毒化してつくられます。
結核(結核性髄膜炎・肺結核)
結核菌の感染で起こる病気です。結核に対する抵抗力は母親からから受け継ぐことができないため、生まれたばかりの赤ちゃんも結核にかかる心配があります。 乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いため、結核性髄膜炎になることもあり、重い後遺症を残す可能性があります。
生後5か月から7か月
生後5か月
接種回数…1回
次に違う種類の予防接種を受けるには接種した翌日から数えて27日以上間隔をあけます。
コッホ現象
接種後10日以内に発赤・腫脹・化膿などをおこし、2~4週間でかさぶたになる反応です。
コッホ現象はすでに結核に感染している子供がBCGを接種した時にも見られますので早急にご来院下さい。
BCGの予防接種をした方の腕の、わきの下のリンパ節や首筋のリンパ節が腫れることがありますが、そのまま様子をみます。
通常は1年くらいで小さくなってゆきますので心配ありません。
ただし大きく腫れたり、化膿して膿が出てくるような場合は診察を受けてください。
MRワクチン(麻疹、風疹の混合ワクチン)
生ワクチン
麻疹ウイルス(はしか)及び風疹ウイルスを弱毒化してつくります。
麻疹(はしか)
麻疹(はしか)は非常に伝染力の強いウイルス感染症で、一生に一度はかかるといわれてる病気です。
かぜのような症状で始まり、せき、くしゃみ、鼻水、頭痛、目やに、結膜の充血などがみられ、38℃前後の熱が出てきます。
気管支炎、肺炎や脳炎、中耳炎なども起こしやすく、乳幼児は比較的重症になりやすい病気で、日本では年間50人から70人の子供が亡くなっています。
風疹
風疹ウイルスの感染で起こる病気で「三日はしか」ともよばれています。
軽いかぜの症状で始まリ、発熱、発疹、目の充血など、はしかに似た症状が出ます。また、風疹に感染してもまったく症状が出ずに気づかないこともあります。
妊婦が妊娠初期風疹にかかると、先天性風疹症候群いう病気になり、赤ちゃんにさまざまな奇形や障害などの影響をもたらすので注意が必要です。
第1期 1歳~2歳未満
第2期 小学校入学前の1年間
(5歳~7歳未満で小学校入学1年前の4月1日から入学の年の3月31日まで)
第1期 1歳になったらできるだけ早く接種
第2期 小学校入学前の1年間
各期1回接種
別の種類の予防接種を受ける日まで接種した翌日から数えて27日以上間隔をあけます。
発熱や発疹の症状が接種後4日~14日ごろに出る場合があります。また、接種後から数日中に過敏症状とみられる発熱、発疹、
かゆみなどがでることがありますが、1~3日で治ります。
ごくまれにけいれんや脳炎が起こることも報告されています。ひどい咳や嘔吐、けいれん、荒い呼吸、
意識がはっきりしないなどの症状が出た場合はすぐ診察を受けてください。
日本脳炎ワクチン
2021年1月より2021年12月まで、日本脳炎ワクチンの一部で出荷制限が発生するため、一時的にワクチンの接種制限を設けさせて頂きます。
・従来通りの接種が勧められる方→1期の2回目まで
・出荷制限解除後に接種を勧める方→1期の追加接種および2期(3歳になったら接種する1・2回目は従来通り接種をお勧めします。
2010年4月1日付で厚生労働省から、第1期接種対象者について、「積極的な勧奨を再開」するようにとの通知が出されました。
第1期の3歳~7歳6か月未満のお子さんは、速やかに接種を受けましょう。
予防接種実施規則の改正により、新しいワクチン(乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン)が日本脳炎の定期予防接種の第1期で使用できることになりました。
このワクチンは、現在のところ第2期には使用できません。接種に当たっては、かかりつけ医とご相談ください。
従来のワクチンは、2010年3月で使用できなくなり、それ以降は第2期の接種が当面できなくなりました。
第1期の追加接種が7歳6ヶ月を過ぎてしまう場合
2005年に積極的勧奨が差し控えられたことにより、接種を受けないまま、接種期間を過ぎてしまった場合、 十分なワクチンの量が確保できないため定期予防接種として接種することができません。 現在、未接種者に対する経過措置等が検討されています。
第2期について
現在、定期の予防接種として接種することができません。第2期に新しいワクチンを使用することについて、 安全性、有効性の面から検討をおこなっているところです。
不活化ワクチン
新しい日本脳炎ワクチン(ジェービックV)は、サルの腎臓からの培養細胞で日本脳炎ウイルスを増殖させたものを取り出し、
ウイルスを不活化した後、さらにワクチンを凍結乾燥させています。
このような工程を経て製造されているので、新ワクチンは乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンと呼ばれます。
一方、旧日本脳炎ワクチンは2010年3月で日本での販売が全て中止されました。
日本脳炎
日本脳炎は日本脳炎ウイルスによる感染症で、日本脳炎ウイルスをもつブタを刺したコガタアカイエカという蚊によって人にうつります。
日本脳炎ウイルスは人から人へは感染しません。
日本国内では日本脳炎の患者はほとんどみられませんが、東南アジア・南アジア一帯やオーストラリアなどでは患者が出ています。
この地域に行くときは接種をすませておくとよいでしょう。
日本脳炎を発症すると高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状がでる急性脳炎になります。
脳炎になった場合の死亡率は15%と高く、特に子どもや老人では死亡の危険性が大きくまります。
また命が助かっても、約半数は脳に重い障害が残ることが多い病気です。
第1期 生後6ヶ月~7歳6ヶ月未満
第2期 9歳~12際未満
(現在、第2期の定期接種はおこなっていません)
第1期 初回 2回 3歳以上が望ましい
第1期 追加 1回 4歳
第2期 1回 9歳
(現在、第2期の定期接種はおこなっていません)
第1期 初回 2回 6~28日までの間隔で接種
第1期 追加 1回 1期初回終了後からおおむね1年後
第2期 1回
(現在、第2期の定期接種はおこなっていません)
発熱や接種部位が赤くなったり腫れたりすることが接種3日後までにみられることがあります。
極めてまれにADEM(急性散在性脳脊髄炎)が発生します。高熱や呼吸困難などの症状があらわれたら診察をお勧めします。
シナジス
RSウィルス感染症の予防を目的とした注射で、ウイルスに対する抗体製剤です。接種後、この抗体は体内に入ってきたRSウイルスに結びつき、体の中でウイルスが増殖するのを防ぎます。
感染を完全に予防する事は難しいものの、重症化を予防する事が期待できます。
RSウイルス
RSウイルスに大人が感染した場合は、かぜ症状で治ることがほとんどですが、乳幼児に感染すると、
当初は鼻水・咳などの軽い症状から始まり、その後気管支炎や肺炎になりやすく、急激に呼吸状態が悪くなる場合があります。重症なケースでは入院や人工呼吸管理を必要とする事もあります。
中でも、早産児、生まれつき呼吸器や心臓に病気を持っている赤ちゃんが感染すると重症化することが多いと言われており注意が必要です。
また、RSウイルス感染症には有効な治療がないため、予防することがとても大切になります。
① 早産児・在胎28週以下で出生し、RSウイルス流行開始時に12ヵ月齢以下の赤ちゃん・在胎29~35週の出生で、6ヵ月齢以下の赤ちゃん
② 慢性の肺疾患を持つ24ヵ月齢以下の赤ちゃん
③ 血行動態(心臓や血流)に異常のある先天性の心疾患を持つ24ヵ月齢以下の赤ちゃん
④ 免疫不全を持つ24ヵ月齢以下の赤ちゃん
⑤ ダウン症候群の24ヵ月齢以下の赤ちゃん
※適応について詳細を確認されたい場合は、お問い合わせ下さい
RSウイルスの流行期間中、月1回を目安に継続的に投与します。
シナジスは予防接種とは異なり、抗体製剤のため、一度接種しても時間が経過すると体内でお薬の成分(抗体)が少なくなってしまいます。
繰り返し投与する事で、体内での抗体を維持し、予防可能な状態にしておく必要があります。
シナジスの主な副作用として、発熱、注射部位の腫れ・痛みがあります。
また頻度は多くありませんが神経過敏症(冷や汗、全身の蕁麻疹、嘔吐など)が出る場合があります。
◆接種方法
太ももに筋肉注射をします。接種量は体重に応じて調整します。
◆ワクチン接種との併用について
シナジスを注射しても、他の予防接種との間隔を考慮する必要はなく、同時接種も可能です。
◆予約方法について
お電話にて接種のご希望をお伝えください。その際、保険適応で接種が可能かどうかの確認をさせていただきます。
その後、受診いただき、診察、体重測定などを行い、シナジスに関する説明、また接種対象であるかどうかの確認を再度行い、実際の接種日などをご相談します。
※特殊なお薬になりますので、ご予約後に取り寄せいたします。事前連絡による接種日時の変更は可能ですが、接種自体のキャンセルはいたしかねますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。