勤務医をしていた時に携わっていた生後1か月健診や今もクリニックで1か月前後の赤ちゃんが受診したときに多く受ける質問の一つに、
「鼻づまり」「鼻がフガフガ言う」
といった質問を多く受けます。
私が経験していた1か月健診での割合的にはお子さんがお一人目(初産)の場合は半分くらいのお母さんたちに聞かれました。
生後1か月は、あまり外にも出さないし風邪をひいた人も近づけないようにしていたはずなのに何故でしょうか。
鼻くそがついている場合もありますが、注意して取り除いてもやはり鼻がつまっている感じが改善せず、だんだんひどくなっていくと続けて哺乳ができないようになることもあります。
そんな時に小児科に連れて行くと風邪だろうと言われ薬が出されたり、耳鼻科に行くと鼻吸引や鼻処置などが実施されることがあります。
それでも、どちらも効かない…といったこともあります。(もちろん風邪や感染症の場合は治ることもありますが)
もしかしたら、なかなか治らないからと言って抗生物質が処方されるケースもあるかもしれません… が、しかし、発熱やぐったりした症状がなければ実はそこまでの処方が必要ないケースがほとんどです。
同じ条件で育てていても(兄弟などでも)、鼻づまりを起こす子、起こさない子に分かれます。それは体質的な要素がほとんどといわれています。
鼻がつまってしまって、ミルクや母乳が飲みにくくなることは確かにあります。ただ、全く飲めなくなったり、極端に尿量(おしっこの量)が少なくなったりしなければ心配することはありません。1回量が少なくとも、回数を多く飲ませてあげることが大切です。
また、鼻づまりはどちらかといえば冬場に多く発生します。乾燥した空気は鼻の粘膜を弱くさせたり感染症の原因にもなります。極力室内を加湿することが重要です。天気のいい日は少し外気に触れさせてあげてください(抱っこした状態で5-10分程度で良いと思います)、しばらくすると鼻が通ってくることもあります。風邪だと言って部屋を閉めきって、暖房を強くしていると部屋が乾燥してかえってよくないこともあります。
結論としては、発熱や尿量が極端に減っていることがない限りは自然に治ってくる“鼻づまり”が大多数です。
ただし、鼻づまりが心配で悪化してくるケースは自己判断をせず、小児科に受診することをオススメします。
大切な赤ちゃんが適切なケアを受けて、お母さんお父さんも安心して過ごせることを願っています。
板垣亮平